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in the bullpen
スタジアムの三塁側、私はブルペンでひとり、
ブルペンキャッチャーのミットめがけて黙々と投げ込みを行っていた。
この球場のブルペンは吹きさらしだから、私の顔にも、ユニフォームにも、
振り下ろす左腕にも雨粒がぶつかる。
試合開始直後から降りだした小雨は、風を伴って四方八方から
私たちの体を打つ。

私は一度肩を休め、
ベンチに座って備え付けのテレビに目をやる。
試合は7回裏、1−0でこちらがリードしている。
今うちのチームは打線が弱いから、これ以上の得点は期待できそうにない。
そろそろ出番かもしれないな、とスポーツドリンクを一口、二口飲んでから、
私はゆっくりと腰を上げた。



8回表の攻撃は、いともあっさりと終わった。
相手がエースとはいえ、一人としてまともにバットに当てていない。
そもそもこちらの得点も、相手のエラー絡みで取ったものだ。
「逃げ切るには、ゼロで抑えるしかないな」
そんな監督の声が聞こえてきそうなものだった。



私は高校を出てすぐプロ入りできたのはいいが、
その後怪我などでまともに投げることができず、
また二軍で頭角を現したのもずいぶん後になってからだった。

高校時代には「細心のコントロール」などと言われたものだが、
プロに入ってから当時のコントロールを取り戻すのに
かなりの回り道をしてしまったのだ。


毎年のようにクビ候補に名前が挙がる、そんなプロ生活を続けたあと。
二十代最後の年である今年やっと、一軍の舞台でブレークするに至った。


だから今年ばかりは、私のプロ人生を賭けた大一番、というわけだ。



8回裏。
マウンドに立っていたのは、昨年までのうちの抑え投手だった。
「今日は出番ないかもしれないな」
どうやら監督はあと2回を抑えきるために、
クローザーの2イニングス起用を決断したらしい。
大ベテランで、私から見れば下り坂をまっしぐらなそのクローザーは、
四死球を出してよたよたしつつも、なんとかその回を0点に抑えた。



「市川、出番だぞ」
コーチにそう言われてやっと、私は気づいた。
どうやら私の予想が外れていたらしい、ということに。
「クローザーか・・・」
そう、どうやら監督は、私に9回1イニングを任せるつもりだったようなのだ。



「人生初、だな」
苦笑まじりにそう思いながら、私はリリーフカーに乗り込み、マウンドへ送り出されるのだった。




この前、久々にこんな妄想をしてみました。
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真の、守護神
―あの頃は大分、無茶なピッチングをしていたものだな。
昔の自分の投球ビデオを見ながら、つくづくそう思う。
前田雅史は4年前、六大学リーグで投げていたところをスカウトに目を付けられ、ドラフト上位指名でドリームズに入団した。
左投げで、しかもサイドスローでありながら150km/h超の速球を投げる異色の投手として注目を浴び、わずか二ヶ月の二軍生活を経て一軍デビューを果たした。
二軍では特に打たれた記憶も無かったし、昇格後も左横手からの剛速球という意外性も手伝ってかシーズン序盤は順調に勝ち星を重ねていた。
しかしそれにも、限界が来る。
上の選手のことだ、日頃から速い球には慣れているし、それを打つ準備もできている。加えて自分は速球以外に目立った武器も無く、そのうえ速球派にしては珍しく制球も良かった。
荒れ球だったり、時折ブラッシュボールを投げたりする投手のほうが、相手打者に恐怖心を与えやすいものだ。
ただ、雅史はわざとブラッシュボールを投げるような投球など、したくはなかった。
的確な制球で、丁寧に相手の弱点やコーナーを突いていく・・・雅史が少年時代から心がけていることだ。
でも。
いくら速球でコーナーを突いても・・・この頃の自分の球には、相手に与える「脅威」が欠如していたのだ。


結果、打線の弱いチームには勝つが、打撃力を備えたチームにはことごとく打たれた。防御率は毎年三点台後半、7〜8勝くらいはできるが同じくらいの黒星、いわゆる「貯金」が作れない先発4、5番手に落ち着くこと三年。
これではまずい、と思った。
変わらなければ。
とにかく、少しでも負けを減らしたい。でなければ、自分はこのまま、勝ったり負けたりのロートルピッチャーで終わってしまう気がする。


そんな時、雅史は一人の先輩投手と出会った。
彼の名は木村悠一郎、かつては自分と同じく150km/hをびゅんびゅん投げ、42歳となった今ではフォームも投球スタイルもがらりと変え、老獪な投球術で勝負する投手に生まれ変わった尊敬すべき大ベテラン投手である。
プロ通算216勝、あまりの畏れ多さにこれまでまともに口を利いたこともない彼が向こうから話しかけてきたのは、3位に終わった07年シーズン後の秋キャンプでのことである。
「そのスライダー、曲がりがいまいちだな」
捕手を座らせてブルペンで投げ込む雅史に、木村はそう言った。
もちろん、自分でも分かっていた。
持ち球はスライダーとカーブ、どちらも実戦で使えるほど信頼できるボールではなかったし、事実これまでの三年間、彼の投球の比率は直球が実に七割を占めていた。

「ちょっと、見てろ」
そう言って、木村は右腕をしならせ、きれいなサイドスローで一球、投じた。
それは素晴らしく綺麗な回転がかかり、捕手のミットに届く手前で大きく横にスライドし、見事としかいいようのない軌跡を描いてミットに収まった。
「す、すごい・・・」
思わず、吐息が漏れた。同時に、自分もあんな球が投げたい、と強く思った。
そして雅史は、今でもどうしてそんな気になったのか分からないが、木村の足元で両手を地面に突いていた。
「俺に、そのスライダーを、教えて下さいっ!」
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挑戦の春季キャンプ
竜巻モンスーンズ史上二人目の女性選手として注目が集まっている長瀬梨子投手(23=グレートホテル)が、初めての春季キャンプで奮闘を続けている。

中継ぎとして開幕一軍を狙うドラフト5位右腕は20日、黒野との練習試合に登板。8回に4番手として登板した長瀬はいきなり一死一、二塁のピンチを背負うも、持ち前の制球力と外のスライダーで空を切らせ、連続三振に打ち取った。

竜巻は昨季、中継ぎ崩壊から15年ぶりの最下位という憂き目を見ただけに、長瀬にとっては中継ぎ陣に割って入るチャンスだが、「自分より凄い体つきをした選手はたくさんいる。ドラフトの時もそうでしたが、プロに入ってからは、もっともっと多い」と長瀬は冷静に語る。「ただでさえ厳しいという印象のある女性選手。体格のいい選手に勝つには技術を磨くしかない。そのために制球力は大事にしてきましたし、新球の開発もやっています」

その新球シンカーも紅白戦で披露、空振りを奪ったが「出来は40%。まだ実戦で使えるレベルじゃない。開幕までの課題ですね」とストイックに技術面を追及していく。チーム浮沈の鍵を握るかもしれない23歳の今後の挑戦に期待したい。

(2009年2月20日 竜巻スポーツ)
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ドキュメンタリー・2008年ドラフトSP
テレビ画面には、12球団のお偉いさん方が鎮座している様子が映っていた。
中央のスクリーンに光が灯り、いよいよドラフト会議が始まった。

長瀬梨子(ながせ りこ)は、他人事のようにテレビを見ていた。
全国的な知名度なんてないし、まあ上位指名はまずないものね。
この年の目玉は、昨年の五輪最終予選でアマから選出された数少ない選手の一人、太田鉄平であった。
MAX157km/hの触れ込みつきで、早くも来季の新人王候補、と目されている。

梨子は球団のお偉いさん方がくじを引き、ある者は大喜びし、ある者は落胆しているのを見ながら、あの中の誰でもいい、ドラフト何位でもいいから、私の名を呼んで下さい、と願った。

だが、同時に自分を指名する見込みのある球団は、この世でたった一つ、ということも理解していた。
梨子の所属するグレートホテルに視察に来たスカウトは、(梨子の知る限りでは)竜巻モンスーンズだけだったからだ。
それも、自分を見に来たという保障など、どこにもありはしない。

その頼みの綱の竜巻は、ドラフト1位指名した白井という投手を抽選で外し、外れ1位で大宮投手を指名していた。どちらも即戦力で、大宮に至っては150km/hを超える速球を投げるとか。

自分にはとてもできない芸当よね、と思いながら、竜巻の指名順だけを心待ちにしていた。きっとよその球団は私のことなんて知りもしない。頼れるのはあなた方だけ、と思いながら。


母親が、スクラップブックを手に、居間に入ってきた。
最初のページに小さな新聞記事が一枚貼られているだけのスクラップブック。


一ヶ月前。
梨子は、「竜巻」という球団名だけを頼りに、ようやく竜巻スポーツという地方紙のサイトに辿り着いた。
ドラフト関連の記事を探すと、白井だとか、大宮だとかいう名前はいくつも見つかった。
竜巻は投手不足らしく、投手中心の指名になるとのことだ。
ただ、そこに彼女の名は一つもなかった。

あのスカウトの人は竜巻の人ではなかったのか?と勤務中も練習中も、来る日も来る日も考えた。
確かにスカウトらしき人は来ているのに・・・。
ほとんど日課のようにサイトに通いつめたが、いつまでたっても、何も出てこなかった。
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the ACE! 〜平岡直樹の奮闘・第3章〜

激闘の甲子園から3ヶ月。竜高ナインは、部室のテレビに釘付けになっていた。

テレビに映っていたのは、ドラフト会議。

平岡は特に行きたい球団などはなく、指名されればどこでも喜んで行くつもりだった。

ライバルにしてドラフト最大の目玉と目された藤嶋が「平岡に勝てる実力をつけるため」と大学へ進んだため、ドラフトの注目株は平岡、ということになっていた。

あの決勝戦以来、スカウト陣も平岡を再認識したのか平岡獲りへ急遽動き出す球団が続出し、結局6球団が競合した。そして、「交渉権確定」のくじを引いた球団こそが、竜巻モンスーンズだったのである。

ちなみに、竜巻は地域密着を図る一環として地元出身選手を集めていた。実は数年前からのプロジェクトだったのだが、いかんせん竜巻県は野球においては弱小県であったため難航を極めていた。そのため、この年の竜高の活躍に目を付け、異例の竜高からの大量指名という作戦に出たのである。その結果、今日ではチームの柱となっている阿久比(あぐい)<チーム不動の四番打者>、野丸(のまる)<走攻守三拍子揃えるリードオフマン>、八千草(やちぐさ)<代打の切り札>といった選手が一緒に入団することとなるのである。

平岡のデビュー戦は、実に華々しいものであった。
5月のジャガーズ戦で7回2失点でプロ初勝利。
そのまま高卒ルーキーながら先発ローテに入り7勝。文句なしの新人王に輝く。

しかし、順風満帆だったはずの平岡の船出は、徐々に雲行きが怪しくなるのである。

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the ACE! 〜平岡直樹の奮闘・第2章〜
3年目、竜高は甲子園出場の影響か、さらに多くの新入部員を迎え、総部員数がベンチ入りの人数の上限を初めて超えた。この中には後に竜巻に入団する選手も多くいたが、これにより戦力はさらに厚くなり、「今年こそ甲子園優勝だ!」と盛り上がっていた。

平岡にも期する思いがあった。結局ライバル藤嶋はあの後甲子園を制し、プロからも大注目を浴びた。今度こそ彼に勝つため、平岡は得意のフォークに加え、スライダーやカーブも磨きをかけていった。

春の大会では後一歩のところで甲子園に手が届かなかったのだが、新入生を迎えて臨んだ夏には早速当時1年の藁谷(わらがい)がサードのレギュラーに定着し自慢の打棒で活躍した。エースの平岡が決勝まで一人で投げぬき、ついに二度目の甲子園へ駒を進めた。

この頃すでに藤嶋と並ぶ期待の新人と評価されていた平岡は甲子園でも猛者たちを次々と打ち破っていった。
しかし、その勢いは2回戦までであった。
突然のアクシデントで投げられなくなってしまったのだ。決勝までいけたとしても間に合わない可能性が高い、と医者に言われた。

しかし、それでも諦めることなく、地道なリハビリで驚異的な回復を見せる。
チームもそんな平岡の想いに応え、日系ブラジル人の二番手投手ボブ(現竜巻)らの活躍でついに決勝へ。
相手は圧倒的な実力で勝ち進んだ日の丸高校
驚異的な回復を見せたとはいっても先発できるほどではなかった平岡がベンチで見守る中、ボブが5回までに7点を失い、打線も藤嶋の前に沈黙。


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the ACE! 〜平岡直樹の奮闘・第1章〜
竜巻モンスーンズ・背番号13。この番号を付けた選手こそ、竜巻不動のエース・平岡直樹である。
今回は、彼が竜巻に入団するまでの経歴を紹介しよう。

竜巻が本拠地を置くのは、海に程近い地方都市。そして彼の出身高校もまた、この街にある。
竜巻高校は、スポーツにおいては県内でも上位に食い込む実力を持っていたが、何故か野球部だけは人気も実力もなく、他の部に取られてしまって満足にグラウンドも使えない状態であった。

平岡は中学でもそれなりに名の知れた選手であったが、強豪校からのオファーはなく、実家に近いこの高校に入学したのであった。

当時、選手が少なかったために外野手が足りず、レフトにコンバートを余儀なくされた平岡。しかし、実は昨年まで、この高校には実力ある外野手が3人いた。彼らはコンビニでの万引き犯という無実の罪を着せられ退学処分となり、現在は別々の高校に在籍している。

だが平岡らの粘り強い捜査により真犯人を突き止めた。(実は彼らの実力を妬んだ他校の野球部員の仕業であった)そして、彼らが所属する3校との練習試合で勝てば竜高への復帰が認められたのである。

そして、かつての弱小高は玉田監督の熱心な指導と猛特訓により成長を遂げ、見事3校すべてに勝利。外野手が5人となったため平岡も投手復帰が認められるはずだったが・・・。

今度は捕手が足りなかったのだ・・・。
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記録に残らぬファインプレー 〜ムードメーカー〜
MAGASとやらがオーナーを務める球団が、
どこぞの世界にあったとさ。
そいつの脳内ワンダーランドのどこかに
本拠地を置く球団が。
その名を竜巻モンスーンズといったそうな。

さてその球団に、FAで青空ブルーサンダーに移籍した古川選手の人的保障として、2007年に入団してきた選手がおったそうじゃ。本田 浩史選手が本拠を置く街に生まれ、その街の大学を出てドラフト4位で入団。プロ3年目にしてかつての親友がいる竜巻に移籍することとなったのじゃ。

それはそれは明るい選手でな、底無しのポジティブ野球少年なんじゃよ。外野を守っては地面すれすれの打球を何度もキャッチするわ、走りに走ってフェンスまでよじ登ってしまう始末なのじゃが、守備には定評があるんじゃよ。

さて、彼は08年、待望の開幕スタメンを勝ち取った。持ち前の底無しの明るさで、チームを引っ張っていったものじゃ。外国人キラーと言われ、悉くカモにしていった。
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高校野球 〜背番号8の奇跡〜
炎天下のグラウンド。

ネクストバッターズサークルに、一人の男がすっと現れた。
背番号8は、打席に立つ後輩Hをじっと見つめる。

快音。
湧き上がる一塁側スタンド。
「頼むぞ〜五十嵐!!」一塁ベンチも必死だ。

颯爽と右打席に姿を現す背番号8。
バットを腰に当て、屈伸して足場をならす。
バットの先端をホームベースの四隅に
触れさせ、ゆっくりと構える。
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GIRLS POWER 〜頑張れ女性選手〜
 20××年。

とある高校に、男子生徒に混じって白球を追う
女性選手がいた。

当初、彼女は女性ということで甘く見られており、
なかなか実力を認めてもらえなかった。
しかしそんなこんなで、彼女は3年になって、
やっとショートのレギュラーを掴むことができたのだった。


彼女は言う。
「女性だからって、体力が劣るとは言われたくない。
甲子園に出て、女性の力を見せてやりたい。」

そして、彼女の念願は叶った。
憧れの甲子園。

ようやく女性の出場が認められたばかりの、
高校野球の聖地。
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